SCAは、2004年4月29〜30日の二日間、六本人ヒルズアリーナ(野外の広場空間です)で開催しました。
内容は、一言でいえば、クリエイターが出店するフリーマーケット。ミュージシャン、イラストレーター、フォトグラファー、イラストレーター、スタイリスト、グラフィックデザイナー、ファッションモデル、建築家、メイキャップアーティスト……、さまざまな分野の第一線で活躍するクリエイターたちを口説いて、フリマに参加してもらったのです。
ただし、ぼくは、いわゆるフリマがやりたくてこれを仕掛けたわけではありません。狙っていたのは、フリマ好きの人たちに喜んでもらうことでも、出店者の売上げが伸びることでもありませんでした。まして、他のフリマと張り合おうなどとは露ほども考えていなかった。正直にいいますが、ぼくはフリマにまったく興味がないんです(笑)。
では、なぜフリマだったのか? その話をする前に、少しバックグラウンドを説明しておきましょう。
当時ぼくは、プロデューサーとして六本木ヒルズのイベントづくりをお手伝いしていました。ミッションはイベントというツールを使って六本木ヒルズのブランディングに貢献すること。「アイデアが生まれる街」「オープンマインド」「文化都心」といった開発理念から生まれたこの街の性格を、イベントという―すなわち空間という―メディアを通して表現することが期待されていたわけです。2003年4月の開業以来、ぼくはこのミッションの下にいろいろなイベントを送り出していました。
六本木ヒルズという街が備える特性のひとつは「クリエイティブ」です。これを出来事として表現したい。それがSCAのモチベーションでした。
クリエイティブな人々が集う街。クリエイティブな世界が認める街。クリエイティブなであいが待っている街……。
このイメージを実感してもらうにはどうしたらいいだろう?