2018年3月、廃墟同然だった塔内に火が灯り、太陽の塔が半世紀ぶりに眼を覚ました。生命の樹という内臓≠取り戻し、太陽の塔にふたたびいのちを吹き込む。それがミッションだった。
根源から立ちのぼり未来へと向かう生命力のダイナミズム、そして生命の尊厳。
生命の樹は岡本太郎の生命観を体現するものであり、みずみずしく躍動する生命のエネルギー≠表現したものだ。復元すべきはこの「計画思想」を置いてほかにない。単純な「再現」でも「再創造」でもなく、「再生」を目指そう。そう考えた。
太陽の塔は遺物でもなければ、記念碑でもない。現代社会に独自の人間観を問いかけ、いまを生きるぼくたちにメッセージを投げかけるライブな存在だ。太陽の塔がほんとうの仕事をするのはこれからなのだ。 |