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クライアント |
岡本敏子 |
担当業務 |
総合プロデュース、会場計画・設計/展示企画・設計 |
会場 |
草月会館/東京 |
会期 |
1996.02.26 |
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「葬式」ではない送り方を提案すること。喪主からの要請はただこの一点のみだった。形骸化したお定まりの葬式を偽善的で唾棄すべきものと考えていた岡本太郎は、生前自らの葬儀を拒否する意思を明らかにしていたからだ。
用意したコンセプトは極めて単純だ。空間すべてを岡本の断片で埋め尽くし、来場者を岡本の空気で包み込む。岡本が忌み嫌った偽善的な悲しみを演じる舞台としてではなく、岡本との対話を楽しむための明るくダイナミックな空間を提供する。
わずか数時間公開するためだけに設営されたこの葬送空間は多くの参列客を迎えたが、ついに涙を流す光景を見ることはなかった。
当日の夜、ニュースキャスターの筑紫哲也氏が、番組のなかでこのプロジェクトに“祝葬”という名を贈ってくれた。 |
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