敏子の死後、彼女の部屋にはいっさい手を触れずに冷凍保存してきた。
あの部屋に漂う生々しいアウラが失われるのが怖かったからだ。
だが生誕100年の節目を迎え、太郎研究のために調査に踏み切った。
いままで存在さえ知らなかったさまざまな資料が出てきた。
そこには誰もがイメージする太郎・敏子とはまったく違うリアルなふたりの姿が刻まれていた。
読み解くのは、同時代を生き、ふたりをもっともよく知る瀬戸内寂聴氏。
このドキュメンタリーは、新資料をもとに、ステレオタイプとして流通する従来の太郎・敏子像を超えた新しい視座をぼくたちに提供してくれる。
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