芸術は太陽と同じだ。太陽は熱も光も、無限に与える。日なたぼっこしても、“おい、あったかかったろう。
じゃ、いくら寄越せ”なんて、手を差し出したりしないだろ?
芸術とは太陽のようなもの。岡本太郎はそう考えていました。
根底にあったのは「芸術は民衆のもの」という信念です。
芸術は一握りのスノッブや金持ちのものじゃない。 さまざまな矛盾や困難と闘いながら毎日を生きる平凡な民衆のものであり、そうしたなんでもない暮らしの中でこそ生かされるべきなんだ、と。
この芸術思想が太郎をパブリックアートに向かわせます。 太郎は、いつでもだれでもアクセスできる公共の場所にたくさんの作品をのこしました。 彫刻、壁画、レリーフ、記念碑、時計、広場、梵鐘、暖炉…。主なものだけでも数十点を超え、バリエーションもじつに広範で、一般的なアートの概念からはみ出たものも少なくありません。
岡本芸術にとって、パブリックアートはなくてはならない決定的な存在です。 本展は、ゲストキュレーターに川崎市岡本太郎美術館の大杉浩司氏を迎え、「太陽の芸術」を考えていきます。
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