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岡本太郎記念館

岡本太郎の『樹』展

2015.06.17-10.25
岡本太郎の『樹』展

木を私はいつでも石の対立物として考えている。ここに無機と有機、死と生の世界が、静かだが、しかし執拗な戦いをくりひろげている。
石は噛み、植物は生成しつつ石をくつがえしつづける。破壊と充実と、均衡と滅亡と、慰撫と恐怖と。

  岡本太郎は『樹』に大いなる共感をもっていました。天にのびゆくその姿に生命力のダイナミズムを見ていたからです。

若々しくひろがっていくさまに人間のあるべき姿を重ね、人が天と交流する回路であるとも考えていました。
 岡本作品に頻繁に樹が登場するのはそのためです。
 単細胞からヒトまでが一本の樹に宿る《生命の樹》、いきいきと躍動する不思議な生命体《樹人》、こどもたちの多彩な表情が四方八方にのびていく《こどもの樹》、原始の呪力が生々しく投影された《樹霊》、無数の眼玉がたわわに実る《眼の樹》、生と死が対峙し闘う《石と樹》…。
 いのち≠描きつづけた岡本太郎にとって、樹はなくてはならない重要なモチーフでした。

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