2011年、日本はサウジアラビアの文化祭典「ジャナドリヤ祭」にゲストカントリーとして招かれた。2週間の会期に200万人が訪れる同祭は、文字通りサウジアラビア最大の国民的イベントだ。
日本文化への関心が高まりつつある同国にあって、日本の魅力を伝える絶好の機会であることから、日本は官民合同で日本館を出展。Japan Lifestyle Showcaseはその中核を担うものとして計画された。
真っ先に考えたのは、異質な文化背景に生きる彼らに、絵ハガキのようなよそ行きの日本ではなく、リアルな暮らしの断片を生々しく実感して欲しいということ。なかでも日本人は日々を創造的に生きている、そしてそれを固有の感性が支えていることを伝えたいと思った。そこでテーマに「暮らしの中の創造力」を掲げた。
18万人の来館者にとって、テレビやインターネットとは違う空間体験としての情報に接したはじめての経験だったに違いない。遠い国・サウジの人たちが日本に興味をもつトリガーになって欲しいと願いながらこの空間をつくった。 |