2018年3月、塔内再生を果たした太陽の塔の内部公開がはじまった。“内臓”を取り戻した太陽の塔にふたたび生命が宿った。このタイミングで「太陽の塔とはなにか」を考えたい。それがこの展覧会のモチベーションだった。
本展では、構想段階から再生プロジェクトまで、半世紀におよぶ「太陽の塔の物語」を通覧できる。最大の見所はオリジナルの《黄金の顔》を間近に見られることだ。93年に取り外された初代が、手を伸ばせば届くところに横たわっている。
日頃70m上空に仰ぎ見ている《黄金の顔》が「こんなに大きいなんて!」と驚くにちがいない。太陽の塔の巨大なスケールを、いつもとちがう非日常体験を通して、身体感覚で掴み取ることができる貴重な機会だ。 |