ダボス会議ではじめて日本政府主催のレセプションが開催されることになった。
日本的な空気感のなかで、日本ならでは細やかなサービスでおもてなしをする。
奇をてらわず、当たり前のことをきちんとやろうと思った。
バリエーション豊かな和食の数々はもとより、何十種類もの日本酒をとり揃えた「The Sake Bar」、寿司職人が目の前で握る「Sushi Bar」、飴細工の第一人者によるデモンストレーションなど、日本ならではの食文化を会場に持ち込んだ。
同様に、装飾も和のテイストで統一した。フジヤマ・ゲイシャにならないよう注意しながら、和紙や白木の素材感、行灯型の柔らかい光などを活かした日本的な空気感を演出した。
さらに、シンボル・アイコンとして、日本を代表する書家・柿沼康二氏に「拓く」を揮毫いただいた。未来を拓き、世界に貢献したいと願う日本人の志をこの字に込めた。このレセプションのテーマであり、日本からのダボス会議に向けたメッセージとして。
数百人の来場を得て、熱気のなかではじめてのレセプションは成功裏に終わった。「ダボス会議には30年通っているけれど、こんなもてなしははじめてよ」。ゲストからかけられた感謝の言葉が嬉しかった。 |