岡本太郎が『太陽の塔』と同時期にメキシコで制作した後、永らく行方がわからなくなっていた幻の巨大壁画『明日の神話』が2003年9月にメキシコシティ郊外で見つかった。しかし、30年にわたって劣悪な環境に放置されていたため、作品は崩壊寸前の状態だった。
2004年、壁画を日本に移送、修復して一般公開を目指す『明日の神話』再生プロジェクトが始動。2005年4月には現地で解体作業を行い、5月末に壁画は神戸に到着した。7月から愛媛で修復作業を開始、2006年6月3日にすべての修復が完了した。
37年前の輝きを取り戻した『明日の神話』は2006年7月〜8月に東京・汐留の日テレプラザで初めて公開され、その後2007年 4月から2008年6月にかけて東京都現代美術館で特別公開された。
2008年11月、ついに東京・渋谷に恒久設置された『明日の神話』は、一日30万人が行き交う駅の連絡通路で人々を挑発しつづけている。 |